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「そう。今は全く着物を着る知識がなくて、肌襦袢から誰かに着せてもらう人が多いの。そうなると裸に着付けてもらうことになっちゃうでしょ。それはやっぱり恥ずかしいから、ロングスリップを着たり、今の私みたいにスポーツブラを着けてたりするわけ」
スポーツブラ・・・
「・・・騙された」
心の中で盛大に涙を流す。
「俺の夢が・・・」
がっくりと項垂れる俺の手を掴んで襟元から引き抜き、立ち上がった弘子。
「優馬の夢、浅はかすぎ」
ああ、怒らせたのだろうか。
こんなはずじゃなかったのに。
幼馴染の関係から脱却するために、告白をするつもりだったのに。
「・・・」
すべては、計画そっちのけで調子に乗って自分の欲望を優先してしまったことが運の尽きだったんだ。
でも、だって、弘子が・・・魅力的すぎる弘子が悪いのだ!
とはいえ、何も言い返せず、弘子の背中をただ見つめていた。
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