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「 班長 どうします 」
ここは都内のオフィスビルの一角にあるオカルト誌百目奇譚の編集部である。今、話しているメンズ雑誌のモデルに居そうなイケメン風男子は百目奇譚のカメラマン兼記者の海乃大洋だ。
「 主語を話せ海乃 どうしますだけではわからんだろう 」
海乃の言葉に返すこのとびっきりの美人は百目奇譚の副編集長であり記者でもある三刀小夜だ。実はすでに40代に突入しているのだが30代前半と言われたなら疑う者はいないだろう。
「 年末特番ですよ テレビの ウチからは毎年編集長が出てたじゃないですか 依頼きてるらしいですよ 営業部からさっき言ってきました 」
「 ああ あのオカルト特番か もうそんな季節か 殿さまが入院したのが痛いな 海乃 お前が出演しろ 」
2人の会話に出て来たのは百目奇譚編集長の殿さまこと殿崎編集長のことで、長年患っている腰のヘルニアが悪化して現在入院中なのである。
「 ちょ ちょっと待ってくださいよ 無理無理 無理に決まってんでしょ 」
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