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「 げっ 面白そうだけど私かおじいちゃんに怒られちゃうじゃないですか それにトリオイの姉妹会社の百目がそれやると本当に怖い製薬会社になっちゃいますよ でどんな話なんです 」
実は月夜の祖父である鳥迫秀一は大企業トリオイ製薬の創業者で現会長である。月夜は幼い頃に両親を失い現在祖父が唯一血の繋がった最後の家族である、その祖父も今は病床に伏していた。オカルト誌百目奇譚を発行する百目堂書房は祖父の経営するもう1つの会社なのだ。
「 ある製薬会社がね 不死者の製造実験を行っている 」
「 不死者って不老不死の事ですか 」
「 ちょっと違うかな 殺しても死なない不死身の方だよ 」
「 いや 殺したら死ぬでしょ 」
「 うん そりゃ死ぬよ でもなかなか死なない 」
「 意味わかんないです 」
「 薬物で痛覚を麻痺させて痛みを感じないんだ だから身体が半分無くなっても何とも感じない 本来 感覚を麻痺させると身体能力も著しく低下するんだが逆に身体能力は極限まで引き上げる そんな薬の研究実験をしている 」
「 そんな薬作ってどうするんです 」
「 強化兵だよ 戦場で頭を吹き飛ばされるまで戦い続ける最強のゾンビ兵士を創り出す 」
数日後、これと言ってパッとしたほんとは怖い話を思いつかなかった月夜は編集部でユウリから聞いた胡散臭い話をそれとなく話した。
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