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「 ほお 興味深い話だな 製薬会社がゾンビの製造か ただ使い古されたネタ感は拒めんな ゲームや映画でヒットしたやつと同じじゃないか まあツクの話はウィルスではなくドラッグ強化兵だから現実的ではあるのだが でトリオイがその実験をやっていることにするのか 茶番がバレたら叩かれるぞ 」
月夜の話を聞いた三刀小夜が微妙な顔をした。
「 いえ マリリオン製薬です 」
「 随分具体的な名前が出て来たな ツク そのネタ どっから仕入れた 」
「 秘密です 」
「 信用度は 」
「 信頼出来る人物から直接聞きました 」
「 ちょっとたんま マリリオンってトリオイのライバル企業っスよ 流石にまずいっスよ 」
海乃が堪らず口を挟む。
「 面白いじゃないか 凸してみるか 」
「 班長マジっスか 俺知らないっスよ 」
「 わたくし常務の御霊です 」
グレーのビシッとしたスーツ姿で髪をキッチリとオールバックにした男性はそう名乗った。歳はイマイチわからないが40代くらいだろうか、銀縁の薄いメガネをかけた その男の顔は、何処と無く冷たい印象を発していた。
「 私は百目奇譚の記者をやっております三刀です こっちはカメラマンの海乃と見習いのササハラです 」
三刀小夜が挨拶を返す、ササハラと紹介されたのは鳥迫月夜である。流石に鳥迫姓を名乗るとトリオイ製薬の縁故であることがバレバレなので月夜が考えた偽名なのだ、ササハラとは月夜にとって特別な名でもあった。
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