才能

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才能

「才能を生み出す薬?」 博士に尋ねた。 「おお、そうじゃ。これを飲んだらたちまち才能を生み出し、君の役にたつはずじゃ。」 「俺が言ったこととほとんどそのままじゃないか。」 俺の突っ込みを無視し、小瓶を持ち出した。 中には液体が入っていて無色透明だ。 水道水のようにも見える。 「博士。これ本物か?」 疑念の目を向ける。 「ぬ?疑っておるな?じゃあワシが飲んでしんぜよう。」 「いや、俺が飲むよ!実験台だってなんだってやってやるよ!」 どこかのお笑い芸人のようだと思ったが、博士は気にしていないようだった。 「じゃあ、早速…。」 小瓶を渡され、意を決して液体をひとくちで飲み込んだ。 俺はどんな才能があるのだろう。 野球?サッカー?話題のフィギュアスケート? ---意識が途切れる寸前、博士の邪悪な笑みが見えた気がした。 …確かに俺は才能を手にした。 それは一生をかけて眠り続ける『眠る才能』だった。
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