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起
「-ごめんなさい。」
たった一言の短い返事
桜舞う夜の公園での青春の1ページ
よくある話と言えば聞こえはいいだろう。
勇気を出して告白したが玉砕
ま、人生なんてそうそう上手く進まないものだ。
「…でも、嬉しいよ。ありがとう」
気を遣わせたのか、はたまた慰めなのか…
彼女はそう告げた。
桜が散り出す季節
夜の街灯が照らす桜吹雪の中の彼女の顔には、涙が浮かんでいた。
それを見た私は
あぁ、やっぱ好きだわ
素直にそう思った。
「私、好きな人がいるんだ。なつさんの事が嫌いなわけじゃないんよ。むしろ友達として、人として凄い尊敬してるし頼りにしてる。でも…だから、ごめ…」
最後は泣き声でぐしゃぐしゃになってしまって胸が痛くなった。
「あ、えっ…うん。わかった、わかったから…泣かないで欲しい。お、俺が困る」
なんて声をかけたらいいのかなんてわからない
とりあえず理解してるのは、自分が振られてしまった。
その現実を受け止めるしかないということ。
いや、違う。
なぜだか判らないが、その時には
俺、この子と結婚する
そんな予感がしていた。
桜が魅せた幻か、
そんなシチュエーションに酔った自分勝手な妄想か、
根拠はないけど付き合っていく未来が見えた気がしていた。
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