2話「怪物の火」

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 影の正体は、一人の大男であった。彼はミスター・レイヴンのフリークショーの団員であり、ステージの上では “フランケンシュタインの怪物”として客を脅かすエンターテイナーだ。本名はコンスタンティンと言うが、彼はもっぱら怪物と呼ばれていて、本名で呼ぶのは団長のミスター・レイヴンくらいのものだった。  怪物は巨人症だ。手足は末端肥大症を併発しており、顔は四角く、角ばった骨が皮膚を押し上げているのがよく分かる。巨体に合う服がなかなか手に入らないので、彼が着ているものはいつも、様々な洋服を繋ぎ合わせたみょうちきりんな一張羅だった。その服と強面のせいで近寄りがたい印象を受けるが、今のように目を細めて微笑んでいると、怪物と言うよりはむしろ、心優しい巨人と呼びたくなるのだった。 「プレゼントを持ってきたんだ」・・・・・・(続きは本誌で)
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