3話「フリーク・ヴィデオ・ショウ」

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 大きな深い森と、そこへと続く荒れ果てたアスファルトの道路を背景に自身を撮影している男性。独自の調査から、彼は某動画投稿サイトにてジョン・ドゥーイングというハンドルネームで活動していた人物と言うことが判明している。彼はここしばらく動画を投稿していない。 「あー、テステステス、ブラブラブラ……。ハーイ、マイディアーズ……。いや、違うな、キザすぎる。カット」  暗転。 「ようこそ、皆様、これから始まるのは恐怖の……。これも違うな。カット」  暗転。 「やあ、皆、今日はチャンネル登録者数五千人記念に特別なことをしようと思う。これから俺が行くのは……」  ノイズ、暗転。  ジョンが運転している車内から撮影したであろう風景。寂れた街並みが車外をゆっくりと流れていく。 「ワオ、まるでゴーストタウンみたいだ。だけど、あそこ見てみろよ」  ノイズと共に画面が一つの建物を映し出す。窓に一瞬影が映る。その影は子供のようにも大人のようにも見えた。 「人はいるみたいだな。さあ、どんな奴がこの街にいるか会いに行きますか」  画面は車前方のガソリンスタンドと雑貨店を映して暗転。  画面がジョンの顔、そして、ジョンのバッグを映す。・・・・・続きは本誌で
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