6話「Go On the Rotten Island」

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 黒毛に覆われた獣。人と似ている部分を多く感じながらも、人とは根本的に異なる雰囲気を与える者。黒毛に覆われた頭部にある黒い一対の瞳が女を見据えていた。女は身動きが取れなかった。それは恐怖からか、それとも別の感情か。  ふいに、その獣の背後から宙に浮く銀色の液体が滑るように現れる。その液体は女の周囲をくるりと回ったかと思うと、液体の一部から機械の瞳を表出させ、電子音声のような音を突如として発した。と、同時に女は我に返り、弾かれるように路地裏へと走り去っていく。  獣の黒い瞳が消えていく女を見ていた。    女は不意に走るのを止める。目の前、そして、左右には天高くそびえる壁。袋小路である。別の道を進むために振り返った女の目に三つの影が映る。  蛇頭の異星人達。その手には銃の形をした異星の武器が握られている。蛇頭の者達は徐々に女へと近付いていく。袋の鼠。絶体絶命。女の顔にゆっくりと諦めの幕が下りて・・・・ ・・・・・・続きは本誌で
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