喪失と創生

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眠りは喪失だ。 泥に沈むかのように意識がなくなり、気付けば朝になっている。 時々考える。 今日の私と昨日の私は果たして同じなのか、と。 眠っている間に、いや、眠っていると思い込んでいる間に世界は崩壊しているんじゃないかと。 そして目を開けた瞬間に再構築されていて、私も今までの記憶を持ったまま新しく生まれているのだ。なんて。 「今時中学生でも考えないわな」 自嘲気味に笑って、布団に入った。 気絶するかのように意識が薄れていく。 ……………… ………… …… 「ううん、今日もイマイチだったね」 「そうだねぇ。明日はもうちょっと弄ってみようか。ほら、人間が好きなヤツ。エルフとか妖精とかいうのを作ってみるとか」 「あー、そうだね。そうしてみようか。そろそろ何やってもマンネリ化してるし」 それくらいの改変しないとつまんないよねーと言いながら、指を振った。 …… ………… ……………… 目を覚ます。 テレビではエルフのニュースキャスターがどこぞの国で妖精族が大統領になったとかいうニュースを読み上げていた。 一瞬だけ何か違和感を感じたけれど、多分気のせいだろう。 さあ、今日も仕事だ。
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