第四話

1/7
329人が本棚に入れています
本棚に追加
/106

第四話

 身体を綺麗にして風呂場をあとにすると、リビングには部屋に移動してから出てこなかった司がソファに座っていた。 「……長かったな」 「あっ……」  司の姿を見ただけで、身体がじわっと熱を持った気がした。 「……ごめんなさい」 「風呂が長いからと言って責めているわけではない。望、俺の隣に座れ」  言われた通りに司の隣へと腰を下ろせば、一拍置いて司は口を開いた。望の顔を窺うことはなく、淡々と話していく。 「明日からしばらく家を空ける。仕事で出張だ」 「……え?」 「出張だと言っている。そう遠くない場所だが、出張期間は一ヶ月程度だ」 「一ヶ月……」  あまりにも突然のことに、望は司の横顔を見据えた。  理解するのに秒を置いてしまったが、仕事といえど出張で一ヶ月も家を空ける。そうなると、必然的に一ヶ月は望を抱かないことになる。ほぼ毎日と言っていいほど司に抱かれ、淫乱になってしまった身体。 (一ヶ月も抱かれないの?)  こんな身体にしてしまった原因は司だ。  だが、元はと言えば、望が司の失恋したところを付け込んだのが始まり。     
/106

最初のコメントを投稿しよう!