42~出版社放火テロ事件の宇宙的顛末

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XX年某月某日の早朝。八千代県教養区の中心部で雑居ビルが爆発した。火災は一階部分と屋上から出火。みるみるうちに燃え広がり全焼。中にいた百名の関係者が焼死した。 原因は爆発物によるものと思われ、現場検証でガソリンのような液体が検出された。 教養区は瑞穂国の地方分権政庁の集まる八千代県十二特別区の中で最も教育機関が集中した地区であり、いくつもの出版社が本社を置く。 爆発炎上したビルにはインターネットのアマチュア小説投稿サイト「物書き天国」を運営する企業が入居しており、警察は関係者によるテロとみて捜査を進めている。 その日、犯人の男はカッパドキア国内に潜伏していた。赤野伴三容疑者六十 歳。彼は物書き天国の運営に並々ならぬ殺意を抱いていた。 「ざまあwwwww。俺の丹精込めた作品を抹殺したからだ。焚書坑儒。本を燃やす人間はいずれ他人を燃やすようになる。だからこそ俺もお前らを燃やしてやったのだ。ざまぁああwww」 赤野は荒涼たる奇岩を見下ろす部屋でノートパソコンを閉じた。     
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