第8章 引継

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 文江の家の外観は少しばかり傷んでいたが、味のある傷み方だった。しっかりした造りの二階建てで、敷地には観賞用の優美な植物が一面に生えた庭がある。  部屋には厚くて柔らかい淡いローズ色のカーペット、レース編みのカバーがかかった椅子。    文江の内側にある、生き生きとした女性らしさを映し出していた。  文江の家で、新しいオーナーと社長の歓迎会が催された。    文江は催し事の準備を整えるのが大好きらしい。 「思いつく限りの料理を作ってみたの」  美味しそうな手料理が机に所狭しと並んでいる。  
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