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「では、私たちそろそろ失礼するわ」
「後は若い者同士、楽しくやってくれ」
玄関先で、一郎とその子の声が響いた。
皆で二人を見送ると、栄一とその隣に座った茅那子に、スタッフから各々、プレゼントが差し出された。
「結婚祝いもまだだったからね。僕のは妻が選んだんだけど……」
淳二のプレゼントは茅那子へ、シースルーのナイトドレスだった。
栄一の妻だから美人だと勝手に勘違いをしてしまったのかもしれない。写真で見た淳二の美人妻には似合いそうだった。が、地味な茅那子にはセクシーすぎて、夫婦漫才で女性芸人がいかにも着そうな舞台衣装のように思えた。
「あ、ありがとう」
茅那子は顔を引きつらせながら、受け取った。
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