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もじゃもじゃの毛をしたショコラが椅子の肘掛けの下から顔を突っ込み、茅那子のお腹のあたりに何度も鼻を押し付けて、撫でてくれとせがむ。
丸々としたショコラは滑らかな毛並みで、茅那子は一生懸命、その体を撫でた。
「いやー、いやー」
朝から泣き叫んでいるのは、二歳になった寛直だ。
「まだ何もしていないのにね」
栄一が楽しそうに微笑む。
「典型的なイヤイヤ期だね」
茅那子も思わず、笑ってしまう。
自我を育てるために、とりあえず、相手の言うことに対して嫌と言う。それは子供が成長している証拠であり、寛直の『イヤイヤ』に戸惑いながらも、二人は息子の大きくなっていく姿に頼もしさを感じていた。
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