第9章 手紙

6/12
前へ
/137ページ
次へ
 その手紙が舞い込んだのは、吹く風がはや夏めいたように感じられる5月下旬のことだった。  差出人は『真下その子』。名前だけで住所の記入はなく、ずっしりと重かった。  茅那子はその子から手紙が届いたことに呆然としていた。    急いで、封を開ける。  白い便箋に走り書きのような文字が並んでいる。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1034人が本棚に入れています
本棚に追加