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帰省して、せめて母親には、『結婚して子供も生まれ、順調に成長していること』を、じかに伝えたかった。
でも、最初から最後まで無視を通した母親に、茅那子はもうこれ以上、思うところはなかった。
その子の手紙にあったように、母親には母親の人生があるのだろう。
交わることのないお互いの人生ならば、それも受け入れてしまった方が楽だ。
母は母で変わることなく、生きていく。
もう期待なんてしない方がいい。
茅那子は何とも言えない気持ちで帰路についた。
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