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窓辺から外を見ると、ケイトウの花が行く夏を惜しむかのように、赤々と咲き、エンディングを演じているかのようだ。
その子が車椅子を動かしながら、茅那子に近づいてきた。
「もうすぐこの世ともお別れだから……かしらね。今まで見慣れてきた青空や草花などがやけに色鮮やかに美しく見えるの。こんなに綺麗だったのかなあって時々、思うわ」
「お義母さん」
茅那子の目の端には涙が浮かんでいた。
「こうなるまではね、人生は宝物探しって思っていたけれども、今は人生そのものが天から与えられた宝物だって思えるの。幸せも探すものではなく、そこにあって気づくもの。茅那子さんも人生という宝物を大切にね」
その子の言葉に、茅那子は泣いていた。
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