第7章 真実

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「栄一はね、最初に再会した時から気づいていたみたい。十何年ぶりかの再会なのにね……。会議室に呼ばれて、『社長は、林その子だったのではないですか』って聞かれたの。私は涙が溢れてきて、思わず、あの子を抱きしめていたわ」    その子はどこか遠くを懐かしそうに見ているように、茅那子には感じた。 「あの子、まだ小さかったのに、立派に成長していて、とても嬉しかったわ。その過程が見られなかったのは残念だったけれども……」    茅那子が会議室で見た光景は親子の再会だったのだ。
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