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燃え行く村を、ロロアとリスカの二人は呆然と眺めていた。
「…これで…大丈夫…なのでしょうか?」
そうロロアが訪ねると、リスカが小さく呟いた。
「…ええ…でも、これだけ燃えていれば、多分この辺りの全ての苔は…燃え尽きていたでしょう」
そうリスカが言えば、ロロアは「そうですね…」と歯切れが悪そうに呟く。
「…しかし、グレスさんを…僕達は救えませんでした」
そうロロアが言えば、リスカは首を振りながら言った。
「いいえ…どのみち、グレスさんも私達に既に“会った時”から、手遅れでしたので…
これは…ある意味で兄妹であの世へ行けて幸せかもしれませんね」
そうリスカが言い出す、“出会った時”から手遅れだった…どういう意味かとリスカにロロアが訪ねると、リスカは言った。
「私達に話してる間、ずっとグレスさんの喉には…“びっちり苔が生えていました”」
「…え?」
全く気付かなかった、と言うより、リスカに言われて初めてその事実を知ったロロアは驚愕のあまり、何も言えなかった。
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