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「…もしかしたら、本当の母体は…ミアさんだけではなく、グレスさんもそうだったのかもしれません
本人達も…まるで自覚はありませんでしたし、初め…私もグレスさんの喉の異変に気付くまでで…グレスさんを健常者だとばかり思ってましたし
しかし…グレスさんの血は、赤く苔に支配され緑になってませんでしたし…今となっては、謎のまま
魔導師達の苔化病の母体の目撃例や資料が少ないのも…あそこまで、普通な人間の様な立ち振舞いをしていたから…気付かず居た…のか、その前に殺されたから“誰も知る者は居ない”…ロロアが初めに言った通りだったのかもしれませんね
…まあ、もう…全て燃えてしまいました…今となっては確かめ様はありません…行きましょう」
そうリスカは言うだけ言うと立ち去ろうとし、ロロアがポカンとしていてたが慌ててリスカの後を着いて行く。
そのあと、暫く燃えて、村は全体が真っ黒焦げになり、そこには既に苔の姿は無かった。
その中には、母体の燃えカスだろうか…黒焦げに燃え残った炭の山があった。
だがもうそれは既に動いてはおらず、母体は完全に死んでいるのが分かる。
そんな炭の山の中を良く見れば…二つの人間の骨の様な物が混じっていた、それは…。
青年くらいの大きさの手の骨と、小さな子供の手の骨が、炭の中から現れて互いに手を握りあっている骨だった。
終
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