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「っと…お、お客さん…見えてきやしたぜ…あ、あれが…『聖堂の街』でごぜぇやす…」
そう船首に言われて、魔女が見つめる…その先に、煉瓦張りの建物が…霧の中から現れ始め、そこに小さな港があった。
その港に船は寄せられ、魔女は船から降り立った、そんな魔女に…船首は言った。
「ま、魔導師様にこんなこと言うのは…神に聖書を読み聞かせる並みに失礼かと存じやすが…気を付けてくだせぇ…
こ、この街を蔓延する魔病は…少し異質…というより…立ち寄った人間が“生きては帰らない”とまで言われてやす…どーか…気を付けて」
そう船首が言えば、魔女は袋を船首に投げ渡した、船首はそれを拾うと…中に大金とも呼べるような数の金貨が入っていて、それを見て船首は。
「ま、魔導師様…!こいつぁ…!渡し賃にしちゃあ多すぎますぜ…!」
そう船首が言えば魔女は。
「…そんな危険な場所へ快く送り届けてくれたお礼みたいな物だ、取っておけ
また明日…この場所へ迎に来てもらいたい…頼んだぞ」
そう魔女は振り返ることもなく歩き進むと、船首は何度も。
「ありがとぅごぜぇやす…!ありがとぅごぜぇやす!魔導師様…!」
そう言い続けた。
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