第二夜 「血に飢えた街」

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指ぬきグローブを着けた手で掴む魔女は、何かを小さく唱えた瞬間…掴まれた人物の後頭部が突如…内側から破裂したかのように破裂し…そこから血や脳が飛び散り。 暴れていた人物は、動かなくなった。 その人物を離せば地面にバタリと倒れ、その人物の口からデロリと現れたそれを観察して、魔女は囁く。 「…“枯血病(こけつびょう)”…か、これは厄介な魔病だ」 その人物の口から出ていたのは…まるで“蚊”の口のような…鋭くちぢれた毛が付いた、人の体の一部ではないそれだった、魔女は次にこの人物に乗し掛かられていた人物の遺体に近づき観察する。 その遺体は…乾いたかのようにカスカスになっていて、魔女はその遺体の胸ぐらを付かんで軽く持ち上げてみると…恐ろしく軽く、片手で持ち上げれるほどだった。 まるで…中身が一切無いような。
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