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そして、その影響により、本来、終わりを迎えるはずの物語が、終わりを迎えることが出来ず、困っている者たちがいるとしたら。
修復屋リコルヌ。
ここに集まる本は、そんな風に、作者の意に沿わず変わってしまった物語の、本の中の住人達からの依頼によって、本を修復し、元の状態に戻すための、店である。
『実際、今、あたしと店長、湊とケビンが、【此処】で話が出来ているってことは、此処はあの鏡の干渉エリア外であることは間違い無いと思う』
「なるほど。結構広いね」
「なぁ、干渉エリアって、何だ?近くだと困るのか?」
ニルスと僕の会話に、ケビンが折れそうなくらいに首を傾げながら僕とニルスに問いかける。
「お后様が持っている魔法の鏡は、多分だけど、空間干渉系統の魔法を利用している可能性が非常に高いと思う。その場合、干渉出来るエリアは無限では無いから」
『あの鏡の干渉エリア外ぎりぎりの場所に、今回の拠点を設置した、っていうわけ。今回みたいなパターンだとバレたら動きにくくなることも多いし』
「へぇ…」
今回の依頼の場合は、お后様側に不利になる依頼では無いため、問題は無いかとは思うけれど、不安要素は少ないに越したことはない。
『まぁ、鏡ごときに、店長の魔法が破られるわけが無いけど、負担はかけたくないし』
「まぁ、そうだね」
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