第3話 潜入調査開始

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 ガラ、ガラ、とリアカーがゆっくりと進む。 「いつもは、お城の中で、使いのかたに誘導されて、林檎を運ぶんでしたよね?」 「ええ。ワタシが運ぶ分は、調理場で使うものですので、調理場付近にいつも運んでおります。お后様にお持ちする分は、使いのかたが」 「なるほど。その使いの者は、いつも同じ人ですか?」 「ええ。問い合わせたのも、その方なのですが……いつも、別の箱など見ていない、届けていないのだから代金は払わぬ、と…お城から必要とされるだけでも光栄だと思えと……」 「………なるほど」  なんて傲慢な、と僕が思うのと同時に『その城のやつ、フルボッコにしていい?』と無線機越しのニルスから不穏な言葉が聞こえ「はは……」と思わず苦笑いが浮かぶ。 「ええと、とりあえず正直に云うと、僕たちにも時間があまり有りませんので、今日中に解決したいと思います」 「え、今日中ですか?!」 「ええ。ですので、いくつかお願いがあるのですが」 「……は、い?」  お城からまだ少し離れたところで、オリヴァさんに小さな声で耳打ちをする。  はじめのうちは、「え?!」と驚いていたオリヴァさんだったが、次第に理解してくれたらしく、最後には「よろしくお願いします」と深く頭をさげられた。     
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