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思わず出た俺の声に、前方にいた近衛兵が大きく肩を揺らしてこっちを見る。バッと頭を下げ謝れば、「お、おう」とその近衛兵は特に問い詰めることもしなかった。
「あ、そうだ。先輩!一個聞いていいっすか!」
「あ?何だ?」
先輩、と呼んだ俺に、この兵は若干嬉しそうな表情をしながら答える。
「今日初めて大広間の警護やるんすけど、Bって何処でしたっけ??」
きょとん、としながら問いかけた俺に、「おまっ、Bってマジか?!あ、ああでも、そうだな……お前の顔面ならそうだな……」と何故か人の顔をジロジロと見たあと、近衛兵は小さくため息をつく。
「顔面?」
「顔面は顔面だよ。お前、イケメンじゃんか」
「……そうッスか?」
「ああ。ここの兵の配置は、イケメンであればあるほど、お后様に近いところに配置されるのさ」
ハハ、と悲しそうに言うこの人も別に顔の造りは普通じゃないか?と思った時に『お后の好みでしょ、ただ単に』とニルスの呆れた声が聞こえる。
「へぇぇ、先輩、十分イケメンなのに、何でっすかね。優しいし、強いし」
「お前……良い奴だな」
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