第4話 特別な林檎

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第4話 特別な林檎

「階段、階段……って、コレか?」  それなりに華やかだった廊下を突き進んだ先に、ばあ、と視界が広くなる。  壁には大小様々な絵画や、芸術性とは何かと問われているような何やらよく分からないモチーフに、剣先に宝飾がされていて実戦では使えない剣、それに天井から明かりを四方八方に散らす豪華なシャンデリア。  以前にも同じように仕事で本の中の城に入ったことがあるが、この城の飾り付けは妙にゴテゴテとしている。 「まあ人の好みはそれぞれだしな」  大広間の様子にぼおっと立ち尽くしそうになったところで、名前が分からないので、先輩Aと呼ぶことにした先輩Aの助言通りに大広間の階段を探せば、それは直ぐに見つかった。  大広間の壁に沿って、長く、ぐるりと緩やかな階段が続いている。  ご丁寧に、階段には赤い絨毯のようなものが敷かれていて、階段自体も存在を主張しているようだった。 「階段下には兵は置かないんだな」  本当に、護衛という意味の近衛兵では無いのだなあ、と少しでも強い奴がいるのでは、と期待していた俺は階段を見上げながらほんの少し肩を落とす。 『そんなに戦いたいなら帰ってきたら(そう)に稽古つけてもらえばいいじゃない』     
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