第5話 閉錠

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 もう何度目になるか分からないほど、オリヴァさんの家に来てから、何度目も頭を下げる執事長と、恐縮しっぱなしのオリヴァさんとのやり取りに、ケビンは最早呆れ始めている。 「まあまあ」と僕自身も何度目かの仲裁を行い、もうそろそろ良いかな、とカタン、とわざと少し音を立てて立ち上がった。 「ソウさん?」 「オリヴァさん、申し訳ありません、僕たち、そろそろ帰還の時間でして……」 「え、あ!す、すみませ……っ!!」 「ああ、いえ、大丈夫ですよ」  ガタガタガタッ、と慌てて立ち上がったオリヴァさんのテーブルの上のものが激しく揺れる。 「今回は本当にありがとうございました」  深々と頭を下げるオリヴァさんに、「そんな、頭をあげてください」と彼の肩に触れながら声をかける。 「僕たちは、あくまでも依頼をこなしただけですから、お気になさらないでください」  にこり、と笑いながら言えば、「でも…」とオリヴァさんがまだ何か言いたそうにしている。 『(そう)、ケビン。繋いだよ』 「湊、あと2分」  耳元の無線機からの声と、ケビンの声に、「分かった」と答えれば、オリヴァさんと執事長が不思議そうな表情を浮かべている。 「すみません、ちょっと急ぎますので、このまま失礼します」 「湊、急いで」  クン、と引かれる腕に、「あはは」と笑いながら、オリヴァさんの家の玄関へと向かう。 「でわ、お邪魔しました」     
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