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第2話 白雪姫ってどんな話
「湊!」
「わっ?!……ケビン、何で此処に」
バタン、と扉を閉めた瞬間に、バッ、と自分よりも体躯の大きい青年が自分に抱きついてくる。
「ニルスがさっさと行けって云うから」
「だからって、此処で待ってなくても」
「此処なら確実に湊が居るし!」
ぎゅうぎゅう、と抱きついてくる青年、ケビンに「はぁぁ」と大きな溜め息をつくものの、彼は全く気にすることなく、「あー、湊の感触久々ぁー」などと言いながら抱きつく手を緩めようとしない。
「ケビン、僕も今、着いたばかりだから、色々と準備をしたいのだけど」
「もうちょっと」
「ケビンってば」
すり、と擦り寄ってくるケビンの背を、ぽん、ぽん、と軽く叩けば、『何やってんの、ケビン』と室内にニルスの声が響く。
ちら、と声の方向を見れば、室内に置かれた大きな液晶画面に、1人の女性が写っており、彼女の眉間には、先程、想像した通りに眉間に皺が刻まれていて、僕は1人小さく笑う。
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