第2話 白雪姫ってどんな話

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 見るからに、不機嫌な顔をしたニルスの『ケビン、いい加減、湊から離れて』と云う言葉は、画面越しながらにニルスの不機嫌さが良く伝わってくる。そして、その映像と音声を見たケビンは、「うわ、出た」と若干嫌そうな表情を浮かべながら呟く。 「出たって…ケビン、ニルスはお化けじゃないだろ?」 「知ってるよ、そんな事。ニッポンでは、オニって云うんだろ?」 「鬼?」 「そう!鬼さ!」  ばっ、と僕から離れてニルスを指さしながら言ったケビンに、『チッ』とニルスの盛大な舌打ちが室内に響いた。 「それでケビン。今後の予定なんだけど」 「なぁ、湊。その前に、何で今回はこんなに町中から離れたところなんだ?いつもみたいに町の中心部で良いじゃないか」  オリヴァさんの証言を纏めたノートを開きながら言った僕に、室内のイスに座りながらケビンが不思議そうな表情を浮かべて僕に問いかける。 「それは」 『それについては、あたしが説明する』 「ニルス」  ヴン、という音と共に僕の横に、先程の液晶画面とは違い、ニルスの姿を映し出した立体映像が現れる。 『ケビン、今回の話に、魔法の鏡が出てくることは覚えてる?』 「あれだろ?鏡よ鏡よ鏡さん、この国で一番綺麗なのはだーれ?ってやつ。女王が怖かったのはすごく覚えてる」 『そう。それ。他は?』  ニルスの問いかけに、テーブルに頬杖をつきながら云ったケビンに、ニルスは続きを促しケビンは「あー、それと、あれ!」と指を鳴らしながら説明を続ける。     
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