0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
――瞼が重い。
次第に遠退く意識に抗うよう
男は自分に強く言い聞かせる。
――ここで寝ちゃダメだ。
だが、無情にもマットの上に横たえた体からは
徐々に力が抜けていく。
――こんな姿を見られたら、私は失望されてしまう。
半裸状態の男は自尊心を頼りに克己する。
――でも……
朦朧とする意識の中、
甘美な誘惑が不意にその鎌首をもたげる。
――このまま寝たら気持ちよさそうだな……。
次の瞬間、男の意識ははぷつりと途絶えた。
最初のコメントを投稿しよう!