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「あなた、一年生ね?どこのクラスかはわかってる?オリエンテーションは?参加したの?」
「は、はひ。B組でし。」
「B組、指原(さしはら)先生のクラスね。私、ちょっと指原先生のところに行ってくるから。生田くん!あなたも自分のクラスに行きなさい。」
「んー。待ってる。」
「初日からサボらないでよ!今日から二年生でしょう?ああ、もうっ!時間がない。とにかくあなた…えっと~名前は?」
「雨霧です。雨霧ひらり。」
「雨霧さんね。ちゃんと傷口洗ってね。洗ったらそこのガーゼで水気をとって、適当に座って待ってて頂戴。」
「は…」
返事をするよりも早く、篠田先生は扉を閉めて行ってしまった。パタパタと、廊下を走る音が遠ざかる。篠田先生は、小柄で可愛らしい容姿で…でもどこか忙しなくて。まるで小動物のように思えた。
そしてチラリ。ひかり先輩へ目をやると、無防備な姿で保健室のベッドに横になっていた。有言実行。自分のクラスへ行く気はさらさら無いらしい。
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