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「それにしても、鳩の首は不気味だ」ニャー。
「鳩ってさ、一歩動くたびに首の色が変わって気持ち悪いよね。水に浮かんだ油みたい」
声のする方に振り向くと、いつの間にか、人間の子供が祠の床に足をブラブラさせて座っていた。俺はギョッとして、賽銭箱のくぼみに滑り落ちそうになった。更にあろうことか、竹輪にかぶりついている!そもそも俺の言葉が分かるのか?人間にはニャーとかニャオとしか聞こえてないんじゃないの?俺だって、人間の言葉は、俺達を呼ぶ名前とか、鰹節とか、単純な単語しか分からないのに。こいつは、俺と同じく鳩の首がどうとか言ってたけど。
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