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わたしと結婚した方がもっと幸せになれるのに。
わたしと一緒にいた方が、きっとたくさん笑えるのにな。
あなたがどんなに駄目な男になったとしても、わたしはずっとあなたの傍にいるよ? ちゃんとあなたのこと、支えていくよ? なんて、必死過ぎるにもほどがある大好きアピールは心の中で唱える。彼と同級生で、大学時代から一緒に居る、きっとすごくいい人でもある彼の奥さんを想像しながら。素直に負けましたなんて、分かっていたって言いたくない。
口にもできない、どこにも届けられない、迷子になった「好き」はわたしの中でぐちゃぐちゃに育っていく。嫉妬なんてしたくないし、本気になんてなる必要もない。本気で好きになる前に知れてよかった。それくらいの気持ちでいるのも事実で、多少強引にでも終わらせようとも思っている。もう連絡をしなければいいし、もうメッセージを読み返すのをやめればいい。わかってる。大人なんだから、自分の中から誰かを追い出す方法だってちゃんと知っているんだ。
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