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猫神様
「もう良い、立て、人間。」
しばらく匍匐前進を続けると、奥から声が聞こえてきた。
「そこでいい、何をしに来たかはわかっている。」
恐らく猫神様だ。
「タマの思い出の品の在処を教えてくれませんか。」
私は思い切って、奥の方に向かってそう叫んだ。
「いいだろう。タマの主人は、タマを助けようとして命を落とした。主人とお前の度胸に免じて、教えてやろう。」
姿は見えないけど、猫神様、良い猫じゃん…!
私は話の早い猫神様に感謝をした。
だが、私は礼もそこそこに、急いで来た道を戻った。
時間がない…!
猫神様が言うには、やはり法事は明日だった。
一度ご家族がタマのご主人の家の辺りに来るだろうから、思い出の品を渡すならその時か、お寺での納骨の時ではないかということだった。
タマとの思い出の品の在処はわかった、猫神様が映像で見せてくれた。
といっても掘り出さなくてはならないことに違いはなかった。
…ところでこれ、どうやって元の世界に帰るんだ!?
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