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昼、土日で工事が休みだったため、私は立ち入り禁止区域にこっそりと忍び込む事にした。 ロープが張ってあったので、私はロープをくぐって中に入った。 そこは既に整地され、どうやら道を作っている様子だった。 確かこの辺は家があったはずだけど…。 私がそんな事を思っていると、 「ご主人は地震で亡くなりましたニャ。タマはご主人のご家族と逃げて助かりましたニャ。」 タマは寂しそうにそう言った。 「ここはご主人のおうちのあった所ですニャ。でもご主人は見付からず…タマはご主人を探している間に天寿を全うして、ネコマタになりましたニャ。でも最近になって、ご主人が見付かりましたニャ。無事ではなかったですが…ニャ。」 ご主人のお墓に、ご主人との思い出の品を入れたいのですニャ、タマはそう言った。 なる程、そんな事情で私は夜中に工事現場に忍び込んでアザを作り、素手でここを掘り返したわけだ。 しかし、なんて健気な猫なんだろう…! 私は話を聞いて泣きそうになりながら、 「うん、そうだね。」 と返事をした。
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