27人が本棚に入れています
本棚に追加
夜Ⅱ
夜、私は人型になったタマに話を持ちかけた。
「ね、知り合いの妖怪に頼んで探してもらったりできないの?」
「本当はご主人が見付かった事自体、伝えてはならなかったんです。」
タマはしょんぼりしながら言った。
「たぶんだけど、納骨のために来るってわかっているなら、そんなに時間がないと思う。ご家族が来たら、一日二日でご主人は供養してもらう事になると思うよ。」
「そんな…。」
タマの耳が、ますますペタン、となった。
「じゃあ、妖怪の役職とか。神様いないの?あれ、妖怪の場合は神様じゃないのかな?」
私がそう言うと、
「猫神様ならもしかすると…。」
タマはそう言った。
「じゃあその猫神様に聞いてみようよ!」
「そんな簡単に会えるお方ではないです…。」
うーん。
「じゃあ私が会いに行く、どう?」
「人間は立ち入り禁止です…。」
タマは少し、諦めかけているように見えた。
最初のコメントを投稿しよう!