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いつもの事なのでもう慣れたもんです。
ふわふわの癖っ毛の髪は薄い茶色で、ふわふわの真っ白なタオルケットはくるむようにかけられています。
もしかしたら他の部員がかけてあげたのでしょう。
もう衣替えもしたのに暑くないのでしょうか。
私はそんな後輩くんの前でしゃがみます。
「──……おはようさんの時間ですかぁ?」
後輩くんはいつも、私が来ると目を覚まします。
「こんにちはさんのお時間ですよ、メリーくん」
後輩くんのあだ名です。
日辻(ひつじ)くんという苗字のせいです。
あと百六十センチという男子にしては低い身長のせいです。
そして、よく眠っているというせいです。
目を擦るメリーくんはまだ、ふぁあ、とあくびをします。
私は絵の具で汚れたエプロンをします。
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