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「……もうあと一か月で引退よ?」
「あー、そっかぁ、うーん」
まだ腑に落ちないのか、メリーくんは私の手を離しません。
文化祭が終われば三年生は部活動を引退します。
もうすぐそこまできています。
巨大パネルの完成もすぐそこです。
メリーくんを起こすのも──。
「──あ、わかったぁ」
と、メリーくんは私の手を離すと、今度は私の顏を両手で挟んできました。
むにっと挟まれて、近距離なこれはさすがに恥ずかしくて──。
「──俺、バンビちゃん先輩の事好きなんだぁ」
「…………はいぃ?」
まさかの告白? に私は目が点です。
何より、気づいた瞬間、顏が熱くて仕方がありません。
「先輩は先輩ですけど、先輩じゃなくなっちゃうじゃないですかぁ」
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