姫様との会話

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次の日。 僕は学ランを着て学校に来ていた。 兄が昔この学校に通っており、そのときの学ランを着ている。 今兄は就職のために実家を離れているが、時折帰ってきては一緒に話をしたりするものだ。 兄のお陰で変な目で見られずに教室にたどり着くことができた。 教室を開けると、僕の机に学ランが置いてあった。 …あれ? 近づいて確認すると、学ランだった。 そして、一枚の紙が置かれていた。 紙には文字が書かれていた。 (ありがとう) …なんか可愛い字。 しかし、なぜ僕のだと分かったのだろうか。 不思議に思っていると、ポケットに妙な感触があった。 探ってみると、僕の生徒手帳が入っていた。 …入れたままにしてたんだ。 僕は小さくため息をついた。 時間はあっという間に昼休みになった。 「おい下僕、今日はちゃんと買ってこいよ。」 「う、うん…。」 僕はいつものように金城たちに昼飯を買ってくるように言われた。 「キャー!!」 廊下の方が騒がしい。 金城たちは廊下へ向かった。 僕も気になり、教室から廊下へ出た。 すると、1人の男子生徒がカッターナイフを持って暴れている。 …なんだ、これ? 男子生徒はこちらを見た。 「見つけたぞ、金城ォ。」 「誰だお前?」 「…覚えてないだと?俺は、お前らにいじめられて、体壊して入院してたんだ!」 金城のいじめの被害に遭っているのは僕だけではない。 彼らに暴力やカツアゲに遭っている人間がたくさんいるのだ。 「何言ってんだ。俺はそんなの知らないぞ。」 「とぼけるな!」 彼は声を荒げてナイフをこちらに向けている。 すると、数人の先生がやって来た。 「な、何をしているんだ!」 「辞めなさい!」 「うるさい!近づくな!」 彼はナイフを向けて威嚇してくる。 そして、金城に目を向けた。 金城は「フンッ。」と鼻で笑った。 それで彼の怒りは頂点に達した。 「…金城ォーーーー!」 彼はナイフをを向けながら金城に向かって走っていった。 周りは慌てている。 金城と男子生徒の距離が 30㎝ほどになったとき、僕は彼らの間に入り、男子生徒の両手を掴んだ。
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