姫様との会話

3/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「なっ!」 男子生徒は驚いた目をしている。 その隙に先生たちが男子生徒を取り押さえた。 「離せー!!」 「暴れるんじゃない!」 先生たちは男子生徒を無理やり立たせた。 男子生徒は俺を睨み付けてこう言った。 「俺は知ってるぞ!お前があいつらにいじめられてることを!それなのに何故そいつを庇う!」 「…彼らを殺したところでいじめられた事実は変わらない。心に受けた傷も。それに、彼が死んだら悲しむ人が少なからずいる。僕にはそれを奪うことはできない。」 男子生徒は先生たちに連れていかれた。 僕は金城を見た。 金城は僕を真っ直ぐ見つめている。 僕はゆっくりとその場を後にした。 授業は事件の影響で中止になった。 金城たちは僕に絡んでくることはなかった。 僕は屋上に来た。 何故か家に帰る気になれなかった。 男子生徒にはあんな風に言ったが、僕もいつあんなことをするか分からない。 僕がその行動に移らないのは、金城という男がいるからだ。 彼は仮にも幼馴染みで、良く遊んだ仲だ。 彼が僕を僕をいじめる理由も知っている。 それを考えると、僕には彼の全てを否定することはできなかった。 僕は屋上の扉を開けた。 すると、昨日と同じようにベンチに人が横たわっていた。 …いやいや、まさか。 僕は昨日よりも慎重にベンチに近づいた。 「…やっぱり。」 確認すると、やはり昨日の女性が寝ていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!