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「なっ!」
男子生徒は驚いた目をしている。
その隙に先生たちが男子生徒を取り押さえた。
「離せー!!」
「暴れるんじゃない!」
先生たちは男子生徒を無理やり立たせた。
男子生徒は俺を睨み付けてこう言った。
「俺は知ってるぞ!お前があいつらにいじめられてることを!それなのに何故そいつを庇う!」
「…彼らを殺したところでいじめられた事実は変わらない。心に受けた傷も。それに、彼が死んだら悲しむ人が少なからずいる。僕にはそれを奪うことはできない。」
男子生徒は先生たちに連れていかれた。
僕は金城を見た。
金城は僕を真っ直ぐ見つめている。
僕はゆっくりとその場を後にした。
授業は事件の影響で中止になった。
金城たちは僕に絡んでくることはなかった。
僕は屋上に来た。
何故か家に帰る気になれなかった。
男子生徒にはあんな風に言ったが、僕もいつあんなことをするか分からない。
僕がその行動に移らないのは、金城という男がいるからだ。
彼は仮にも幼馴染みで、良く遊んだ仲だ。
彼が僕を僕をいじめる理由も知っている。
それを考えると、僕には彼の全てを否定することはできなかった。
僕は屋上の扉を開けた。
すると、昨日と同じようにベンチに人が横たわっていた。
…いやいや、まさか。
僕は昨日よりも慎重にベンチに近づいた。
「…やっぱり。」
確認すると、やはり昨日の女性が寝ていた。
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