夢か真か

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音がした瞬間俺は爆風で吹き飛ばされていた。一瞬何が起こったかわからなかった。そう、頭が真っ白になったのだ。少ししてからようやく俊介が持っていたあのカゴが爆発したのだと理解した。うまく動かない足でヨタヨタと俊介に駆け寄ろうとしたその時、先生が俺のもとに駆け寄ってきた。「大丈夫か!?どこか痛むか!?」先生越しに俊介を見る。横たわっている俊介の元に、あの科学の先生が横に付いているのが見えた。 その、先生の血相が変わるのが遠くからでもわかった。 俺は次の瞬間には俺を心配してくれていた先生を突き飛ばして俊介のところへ走り出していた。嘘だ、嘘だと言ってくれと思いながら。だが近づけば近づくほど見える。 俊介の左胸に深く刺さったガラス片が…。 俊介の奥側にも生徒がちらほら横たわっているのが見えた。ただ、俊介はとっさにあのカゴを遠くに放り投げていたようだった。幸いそこには建物もなく、人も少なかったためか、奥側にいた生徒達がゆっくりと起き上がっているのが見えた。ただ、俺はこの状態に違和感を覚えていた… * ジリリリリリ ハッと目を覚ませばまた俺は布団の中に入っていた。目覚ましを消すのも忘れて、携帯を見た。携帯のデジタル板に写っていたのは、___木曜日… また同じ木曜日が来た。しかも前とは方法が違うが、俊介が亡くなった。夢の中で。
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