休章

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 外出する時はそんな奴等に注意を払わなければならず、ただでさえキツい環境を更に悪化させられた事には、ムカッ腹がたって仕方がない。  そんなある日、六月二十五日だったと思う。レジスタンスとクズ集団の争いに出くわした。  レジスタンスの放送があってから大人しくしていたクズ共は、対抗手段として徒党を組む様になっていたらしい。クズ共に対して、レジスタンスは少数だった。応援が来たもののやはり数は少なく、クズ優勢なのは明らかだった。  レジスタンスに加勢しようかとも考えたが、少しすると、力の差が歴然である事がわかった。レジスタンスの洗練された動き、豊富かつ充実した装備。対してクズ共の戦闘は稚拙であり、冴えない。大人とお子供程の差があった。  程なくしてクズ共は投降。結束も何もない生き延びたクズ共は、漏れなく連行された。これでクズ共がいなくなると思うと心がスッとしたが、反面、レジスタンスの実力には恐怖した。目をつけられでもしたら到底敵わない。出てきたばかりの芽を摘むかの様に、指先であしらわれて、僕等の生活は終わりだろう。そして戦闘能力もさる事ながら、あれだけドンパチしていたにも関わらず、ゾンビを寄せ付けない不思議な機械にも驚かされた。  結論、レジスタンスには極力関わらない。僕等は僕等の生活をしていく。ただ、もし、如何にもこうにも、僕等で手の負えない事態に陥った場合、レジスタンスを利用するのは一つの手かもしれないな。
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