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第六話 『第四の悲劇 達磨』
賢が提案したのは作場 孝之という老人だった。
元々は軍人で、多くの戦果を挙げた英雄だったそうだ。だが、彼は戦場での怪我が原因で半身不随となった。
戦争が終わり、傷痍軍人として村に帰って来た彼を、村の人間たちはかつてのように英雄とは呼ばなかった。
戦争が終わってしまえば軍人などただの肩書でしかない。それに加えて身体の自由を失い、働く事すら困難になった彼を、村人たちは『お荷物』として扱った。
国のため、そして村のために戦い続けた彼はこの現実に絶望し、運命を呪った。
彼はそれ以降は村人たちと極力関わることを避け、村のはずれにある小屋で一人で暮らしているという。
近くに住む農家が善意で持ってくる野菜を食事とし、日中はほとんど家から出ない。
そして、私たちはこの畑に目を付けた。私たちはまず、作場の逃げ道を完全に絶つ事を計画し、夜の内に畑に火を放った。
幸い、不可解な連続変死事件が起こったばかりで日が沈めば人通りは一切なくなる。それを見計らって畑に火を放ったのだ。
元々やせ細った広くもない畑だ、灯油を撒いて火を放ってしまえば、すぐにでも枯れ果ててしまうだろう。
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