第四話 『第二の悲劇 針千本』

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第四話 『第二の悲劇 針千本』

 繰り返される差別、そして降りかかる悲劇。鶴の心は完全に壊れてしまった。  鶴の計画は鈴音様の祟りを演出し、村人に一方的な恐怖を与える事。  そして、最終的には村の大半を殺害し、この村を滅ぼす事。  俺が鶴に与えられた任務は、祟りの演出のために犠牲となる村人の選別だった。鶴は村を離れていたため現状の村人の情報をほとんど知らないため、俺が鶴の出した条件に見合う村人を調達する。 鶴の出した人選の条件は、心に大きな傷を負っている者。精神的に摩耗している方が、鶴の『誤催眠』の効果がより鮮明に表れるというのだ。 心に傷を負った者の傷口に鶴が誤催眠をかける。そこまでは理解できたが、それからどうやって……殺すのかまでは教えてくれなかった。 そして、俺が鶴に提案した一人目の生贄……笛吹 清子。 戦争で夫と一人息子を亡くした、哀れな中年女。特に息子の死に方はひどかったらしい。軍事関係の人間だった祖父がまだまともだった頃、笛吹の息子は地雷で爆死し、結局その息子の薬指の第一関節だけが遺体として母親の元に帰ったと密かに教えてもらった。     
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