後編

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「今日、もう一度睡眠科学研究室に行ってみる!」 「…………」  いつになく渋い顔の要を見て首をひねる。 「どうしたの?行きたくない?」 「いや、そうじゃなくて。あそこなんか変な感じがする。胡散臭いっていうか……」 「そう?」 「行って確かめるか……」  要はいつになくさっぱりしたような顔でそう言った。  ソファーに座って新聞を読む横顔を見ていると、なんだか今日は顔色がいいように思えた。 「何かいいことあったの?」 「何で急にそう思ったの?」  驚いたように尋き返された。 「スッキリ爽快!みたいな顔してるから」 「あぁ、よく眠れたからかな?」 「珍しいね。ていうか私のせいで普段まともに眠れないよね。いつもありがとう」 「慣れてるよ」  要は何でもないように言って笑う。  その胸に飛びつきたいような気持ちになるけど、要を困らせるような気がしてぐっと堪えた。  こんな時、外国なら友達同士でも自然にハグしたりできるのが羨ましい。  留学しようかな?要は付いてきてくれるかな。というか、外国に行ったからって、私たちがハグするようになるとは限らないか。 「何悩んでるの?」  うーんと唸っているとそう聞かれてつい、 「どうやったらハグできるかなって」  思ってることがつい口に出た。     
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