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「今日、もう一度睡眠科学研究室に行ってみる!」
「…………」
いつになく渋い顔の要を見て首をひねる。
「どうしたの?行きたくない?」
「いや、そうじゃなくて。あそこなんか変な感じがする。胡散臭いっていうか……」
「そう?」
「行って確かめるか……」
要はいつになくさっぱりしたような顔でそう言った。
ソファーに座って新聞を読む横顔を見ていると、なんだか今日は顔色がいいように思えた。
「何かいいことあったの?」
「何で急にそう思ったの?」
驚いたように尋き返された。
「スッキリ爽快!みたいな顔してるから」
「あぁ、よく眠れたからかな?」
「珍しいね。ていうか私のせいで普段まともに眠れないよね。いつもありがとう」
「慣れてるよ」
要は何でもないように言って笑う。
その胸に飛びつきたいような気持ちになるけど、要を困らせるような気がしてぐっと堪えた。
こんな時、外国なら友達同士でも自然にハグしたりできるのが羨ましい。
留学しようかな?要は付いてきてくれるかな。というか、外国に行ったからって、私たちがハグするようになるとは限らないか。
「何悩んでるの?」
うーんと唸っているとそう聞かれてつい、
「どうやったらハグできるかなって」
思ってることがつい口に出た。
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