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「たまたま今は見なかっただけなんじゃ………」
千織教授は溜息を吐いて、長い前髪をかきあげた。
「君が見てるのは夢じゃない」
ますます意味が分からない。
「眠ってる間に見るのが夢じゃないなら、私は一体何を見てるんですか?」
「今日事故を目撃したね?あれは殺人事件だよ。眠りの優香君」
この時ばかりは千織教授の声が眠そうにも、やる気無さそうにも聞こえなかった。
それはまるで悪魔の下手な冗談のようだった。
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