4.前世の記憶と時巡り

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「…お前、俺の過去が知りたいのか」 立ち上がった佑は、私を見下ろす形になる。 だが、すぐに手を差し伸べてくれたので、私も立ち上がることが出来た。 真っ暗な闇。 でも、佑の姿ははっきり見える。 絶対に見間違えたりしない。 「うん。知りたかった。紬のことも」 だから、正直に答えるわよ。 私の返事に少し驚いたのか、一瞬止まる。 「でもな、お前のした事は大変な事なんだぞ」 「大変な事…?」 過去が知りたい、と何の関係があるのだろう。 私は、佑の次の言葉を待つ。 「お前は、もしかしたら歴史を変えてしまうかもしれない」 そう言うと、私の前に立ちふさがり、暗闇に手を差し伸べた。 すると、闇がモヤになり、モヤに映像が映った。 それは、先ほどまでの私の姿。 佑に声をかけ、紬に出会い、友秀の元に行くまでの…。 「俺が歩んだ歴史にお前はいない」 「そう…よね」 「なのに、吹雪が出た事により、少し変わってしまうかもしれないんだ。しかも、吹雪、お前は自分を犠牲に紬を助けようとしただろう?アレも歴史を変える行為。まず、あそこで友秀は俺らを退治しない」 「へ…」 私は佑の最後の言葉をピックアップした。 あの場所で二人は退治されない、という事なの? じゃあ、彼らを倒したという退魔師は誰? 「それは、友秀だ」 佑が私の考えを見透かしたかのように、言った。
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