4.前世の記憶と時巡り

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こうして、紬達ご一行は人間に化けて“久遠 友秀”に会いに行くことになったのだ。 「…でも、一度友秀に言っておいた方がいいかもしれないわね」 さすがに何も言わずに、あやかし達で退魔師の家へと乗り込んだら驚くだろう。 友秀には一言言っておいた方がいい、と紬は判断する。 「そうだな。俺もそう思う」 佑も同意なようで、大きく頷いた。 しかも、久遠家には最近偉い殿様がよく出入りしている。 あやかし退治の話がほとんどだろう。あやかし退治する人が、あやかしと仲が良いことがバレてしまったら、大変なことになってしまう事は目に見えている。 「じゃあ、私たちがもう一度友秀の所へ行って二人のことをいっておくわ」 『それは助かる』 黒い幕が現れ、一瞬で消えたかと思うと、いつもの大人びた上品な女性が出てきた。 マリモは、変化はできないもので、自分の結界で人間には見えないようにしていくようだ。 「じゃあ、明日ね。佑、友秀の所へ行くわよ」 「跳んでいこうな」 「歩きましょう」 にこり、と笑いかけると佑は頬を引きつらせた。 佑はハッキリ言って跳びたいだろう。だけど、私が無理矢理歩かせている。 これも、人間に化ける第一歩。 頑張るぞ!
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