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こうして、紬達ご一行は人間に化けて“久遠 友秀”に会いに行くことになったのだ。
「…でも、一度友秀に言っておいた方がいいかもしれないわね」
さすがに何も言わずに、あやかし達で退魔師の家へと乗り込んだら驚くだろう。
友秀には一言言っておいた方がいい、と紬は判断する。
「そうだな。俺もそう思う」
佑も同意なようで、大きく頷いた。
しかも、久遠家には最近偉い殿様がよく出入りしている。
あやかし退治の話がほとんどだろう。あやかし退治する人が、あやかしと仲が良いことがバレてしまったら、大変なことになってしまう事は目に見えている。
「じゃあ、私たちがもう一度友秀の所へ行って二人のことをいっておくわ」
『それは助かる』
黒い幕が現れ、一瞬で消えたかと思うと、いつもの大人びた上品な女性が出てきた。
マリモは、変化はできないもので、自分の結界で人間には見えないようにしていくようだ。
「じゃあ、明日ね。佑、友秀の所へ行くわよ」
「跳んでいこうな」
「歩きましょう」
にこり、と笑いかけると佑は頬を引きつらせた。
佑はハッキリ言って跳びたいだろう。だけど、私が無理矢理歩かせている。
これも、人間に化ける第一歩。
頑張るぞ!
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