467人が本棚に入れています
本棚に追加
/249ページ
「どういうこと?」
思わず聞き返す。
「最近…ちょっと大変な妖怪が出てきたようで。人間に悪さしては、迷惑をかけていると聞きました」
人間に化けてお金を盗んだり、畑の野菜を泥棒したり。
人間自体を襲う事は無いようだが、相当迷惑をかけているようだ。
「そう。そんなあやかしもいるのね」
今までずっとあやかしの肩ばかり持っていたけれど、そこまで迷惑をかけている者だったらどうだろう、と思う。
「はい。名前は何て言ってたでしょうか…確か“鵺”だったと思います」
「鵺…」
鵺、とは大妖怪である妖狐と並ぶ強さの妖怪…。
噂はかねがね聞いていた。けれど、最近は大人しくなったのか噂を全く聞かない。だから、久々に聞くその名前に少し驚いた。
「鵺か。噂がパタリと消えたんだから、もう死んじまったんじゃねぇのか?」
佑も同じ事を考えていたようで、鵺の消息がわからない事に同意している。
最初のコメントを投稿しよう!